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D婚姻を継続し難い重大な事由

D婚姻を継続し難い重大な事由に関して、以下項目を解説しています。
・婚姻を継続し難い重大な事由とは?
・離婚原因の具体例
・婚姻を継続し難い重大な事由の要件
・裁判で認められるか否か

婚姻を継続し難い重大な事由とは?

民法第770条第1項第1号から第4号までは、具体的離婚事由を規定していますが、民法第770条第1項第5号では『その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき』として、抽象的離婚事由として規定しています。
現実の離婚原因は多種多様であるため、第5号では抽象的に規定することで、広く離婚請求に応じられるようにしています。
また、民法第770条第2項では、『裁判所は、前項第1号から第4号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。』として、離婚の請求が棄却される場合がありますが、第5号に認定された場合は、離婚が認められます。

離婚原因の具体例

裁判所HP司法統計「第19表 婚姻関係事件数−申立ての動機別・申立て人別−全家庭裁判所」に記載されている申立ての動機別に以下分類します。
【「@不貞行為」に該当するもの】
・異性関係
【「A悪意の遺棄」に該当するもの】
・家庭を捨てて省みない
・同居に応じない
・生活費を渡さない
【「B生死が3年以上不明」に該当するもの】
・その他
【「C強度の精神病」に該当するもの】
・病気
【「D婚姻を継続し難い重大な事由」に該当するもの】
・性格が合わない
・暴力を振るう
・酒を飲み過ぎる
・性的不調和
・浪費する
・精神的に虐待する
・家族親族と折り合いが悪い
備考)
便宜的に関連性が近い離婚事由に分けましたが、@からCに記載している場合でも、Dとして主張する場合もあります。

婚姻を継続し難い重大な事由の要件

裁判では、離婚原因に対する責任の有無よりも、夫婦関係の破綻状態に重点をおき、修復の見込みが困難と判断されれば離婚が認められます。
また、お互いの努力や妥協があれば改善できると判断されれば、離婚は認められません。

裁判で認められるか否か

上記項目「離婚原因の具体例」に記載されている【「D婚姻を継続し難い重大な事由」に該当するもの】に記載されている申立ての動機別に以下記載します。
【認められる可能性が高い場合】
・暴力を振るう
・精神的に虐待する
【個別の事情により判断が分かれる場合】
・酒を飲み過ぎる
・性的不調和
・浪費する
・家族親族と折り合いが悪い
【認められる可能性が低い場合】
・性格が合わない
備考)
上記項目「婚姻を継続し難い重大な事由の要件」に記載の通り、裁判官は夫婦関係の修復の見込みがあるかないかによって判決を下します。

裁判で認められる可能性について

離婚原因が、民法第770条第1項第1号から第4号までの具体的離婚事由の場合は、争点も明確になり離婚が認められるか否かの判断がしやすいですが、離婚原因が複数あり色々絡み合っている場合は、裁判官の心証にかかってくるため、その予測は困難です。

 
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