HOME >> 結婚と離婚の民法の規定 >> 実子(子の氏)

実子(子の氏)

実子(子の氏)に関して、以下項目を解説しています。
・第一節 実子(子の氏)

第一節 実子(子の氏)

第一節 実子では、以下の分類に対する条文があります。
第772条〜第778条:嫡出子に関連する条文
第779条〜第788条:認知に関連する条文
第790条〜第791条:子の氏に関連する条文

子の氏に関連する条文は、以下の通りです。
第790条(子の氏)
第791条(子の氏の変更)

子の氏

(子の氏)
第790条 嫡出である子は、父母の氏を称する。ただし、子の出生前に父母が離婚したときは、離婚の際における父母の氏を称する。
2 嫡出でない子は、母の氏を称する。
《解説》
第1項により、父母が婚姻中に生まれた子は、父母の氏を称することとなります。そして、子の出生前に父母が離婚したときは、離婚前の父母の氏を称するとしています。よって、「離婚届」を提出後、婚姻によって氏を変更した者は、元の戸籍に戻るか、又は、新たな戸籍を作りますが、子は離婚前の戸籍に入ることとなります。
第2項により、婚姻関係にない父母の間に生まれた子は、母の氏を称することとなります。

子の氏の変更

(子の氏の変更)
第791条 子が父又は母と氏を異にする場合には、子は、家庭裁判所の許可を得て、戸籍法 の定めるところにより届け出ることによって、その父又は母の氏を称することができる。
2 父又は母が氏を改めたことにより子が父母と氏を異にする場合には、子は、父母の婚姻中に限り、前項の許可を得ないで、戸籍法 の定めるところにより届け出ることによって、その父母の氏を称することができる。
3 子が十五歳未満であるときは、その法定代理人が、これに代わって、前二項の行為をすることができる。
4 前三項の規定により氏を改めた未成年の子は、成年に達した時から一年以内に戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、従前の氏に復することができる。
《解説》
第1項に対する具体的手続きとしては、以下の手順によります。
@市町村役場で、新たな戸籍を作成
(「離婚届」で新たな戸籍を作るか、又は、「分籍届」を提出)
A家庭裁判所で、「子の氏の変更許可」の申立て
B市町村役場で、「入籍届」を提出
第2項は、婚姻関係にない父母の間に生まれた子がいる場合に父母が婚姻したときは、家庭裁判所の許可は不要で、市町村役場で「入籍届」を提出するだけで父母の氏を称することができます。
第3項は、子が15才未満の場合は、法定代理人(親権者等)が代理できる旨を定めています。よって、子が15才以上の場合は、本人が自らすることとなります。
第4項は、第1項から第3項までの規定により氏を改めた未成年の子は、”成年になった時から一年以内”に限り、市町村役場に届を出すことで、従前の氏に戻ることができます。

 
inserted by FC2 system