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親権の喪失

親権の喪失に関して、以下項目を解説しています。
・第三節 親権の喪失

第三節 親権の喪失

第三節 親権の喪失では、以下の条文があります。
第834条(親権喪失の審判)
第834条の2(親権停止の審判)
第835条(管理権喪失の審判)
第836条(親権喪失、親権停止又は管理権喪失の審判の取消し)
第837条(親権又は管理権の辞任及び回復)

親権喪失の審判

(親権喪失の審判)
第834条 父又は母による虐待又は悪意の遺棄があるときその他父又は母による親権の行使が著しく困難又は不適当であることにより子の利益を著しく害するときは、家庭裁判所は、子、その親族、未成年後見人、未成年後見監督人又は検察官の請求により、その父又は母について、親権喪失の審判をすることができる。ただし、二年以内にその原因が消滅する見込みがあるときは、この限りでない。
《解説》
父、又は、母に、以下の行為がある場合は、家庭裁判所に対して”親権喪失”の審判の申立てをすることができます。
・虐待があるとき
・悪意の遺棄があるとき
・親権の行使が著しく困難であるとき
・親権の行使が不適当であるとき

【離婚後の親権者変更】
離婚時には、父、又は、母を、親権者として「離婚届」に記載して市町村役場に提出するだけですが、その後の変更に対しては、家庭裁判所に”親権者変更”の調停、又は、審判の申立てをすることで、上記の事情などがあれば認められます。

親権停止の審判

(親権停止の審判)
第834条の2 父又は母による親権の行使が困難又は不適当であることにより子の利益を害するときは、家庭裁判所は、子、その親族、未成年後見人、未成年後見監督人又は検察官の請求により、その父又は母について、親権停止の審判をすることができる。
《解説》
上記の第834条の”親権喪失”では、親権がはく奪されますが、”親権停止”では名称の通り親権を停止させるものです。”親権停止”の期間は、最長2年間です。

管理権喪失の審判

(管理権喪失の審判)
第835条 父又は母による管理権の行使が困難又は不適当であることにより子の利益を害するときは、家庭裁判所は、子、その親族、未成年後見人、未成年後見監督人又は検察官の請求により、その父又は母について、管理権喪失の審判をすることができる。
《解説》
父、又は、母に、以下の事由がある場合は、親権の一部である”財産管理権”のみ喪失させる審判の申立てをすることができます。
・管理権の行使が困難なとき
・管理権の行使が不適当であるとき

親権喪失、親権停止又は管理権喪失の審判の取消し

(親権喪失、親権停止又は管理権喪失の審判の取消し)
第836条 第834条本文、第834条の2第1項又は前条に規定する原因が消滅したときは、家庭裁判所は、本人又はその親族の請求によって、それぞれ親権喪失、親権停止又は管理権喪失の審判を取り消すことができる。
《解説》
上記条文の通りです。

親権又は管理権の辞任及び回復

(親権又は管理権の辞任及び回復)
第837条 親権を行う父又は母は、やむを得ない事由があるときは、家庭裁判所の許可を得て、親権又は管理権を辞することができる。
2 前項の事由が消滅したときは、父又は母は、家庭裁判所の許可を得て、親権又は管理権を回復することができる。
《解説》
親権者が子の養育・看護ができないときは、家庭裁判所に”親権者辞任”の申立てができます。
ただし、家庭裁判所が『やむを得ない事由』と認めた場合に限ります。父、又は、母のいずれかが面倒を見れるのであれば、家庭裁判所に”親権者変更”の調停の申立てをする方が現実的です。
また、どちらも面倒を見ることができない場合は、児童相談所に相談して下さい。

 
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