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婚姻の成立

婚姻の成立に関して、以下項目を解説しています。
”第一節 婚姻の成立”は、以下項目の”款”に分かれていますので、各項目ごとに解説します。
・第一款 婚姻の要件
・第二款 婚姻の無効及び取消し

第一款 婚姻の要件

第一款 婚姻の要件では、以下の条文があります。
第731条(婚姻適齢)
第732条(重婚の禁止)
第733条(再婚禁止期間)
第734条(近親者間の婚姻の禁止)
第735条(直系姻族間の婚姻の禁止)
第736条(養親子等の間の婚姻の禁止)
第737条(未成年者の婚姻についての父母の同意)
第738条(成年被後見人の婚姻)
第739条(婚姻の届出)
第740条(婚姻の届出の受理)
第741条(外国に在る日本人間の婚姻の方式)
備考)
市町村役場にて婚姻届が受理されるためには、上記の要件を全て満たす必要がありますが、特に注意すべき規定のみ以下解説します。

再婚禁止期間

(再婚禁止期間)
第733条 女は、前婚の解消又は取消しの日から六箇月を経過した後でなければ、再婚をすることができない。
2 女が前婚の解消又は取消しの前から懐胎していた場合には、その出産の日から、前項の規定を適用しない。
《解説》
原則として、第1項の規定により、女性は離婚後6か月間は再婚ができません。
例外として、第2項の規定により、離婚前に妊娠していた場合は、出産後に再婚できます。
また、以下の場合も、例外として扱われます。
・再婚相手が、離婚した夫の場合
・夫が失踪宣言を受けた場合
・夫の生死が3年以上不明で、裁判離婚した場合
【立法趣旨】
この規定は、離婚後に妊娠が判明した場合に、前後どちらの夫の子か混乱が生じる可能性があるため、そのトラブル防止のためにあります。

第二款 婚姻の無効及び取消し

第二款 婚姻の無効及び取消しでは、以下の条文があります。
第742条(婚姻の無効)
第743条(婚姻の取消し)
第744条(不適法な婚姻の取消し)
第745条(不適齢者の婚姻の取消し)
第746条(再婚禁止期間内にした婚姻の取消し)
第747条(詐欺又は強迫による婚姻の取消し)
第748条(婚姻の取消しの効力)
第749条(離婚の規定の準用)
【婚姻の無効】
第742条では、『当事者間に婚姻をする意思がないとき』婚姻は無効となります。
婚姻が無効とされると、婚姻は最初からなかったこととされます。
よって、婚姻中に子がいる場合は、父の子とは扱われず、父の認知によって父の子となります。
【婚姻の取消し】
婚姻を取消すことができる場合として、第744条から第747条までの規定があります。そして、第748条の規定により『婚姻の取消しは、将来に向かってのみその効力を生ずる。』こととなります。
よって、婚姻中に子がいる場合は、その子は、父及び母の子のままとなります。

 
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